こんにちは、takaです!
ニュースで、トヨタ自動車の社長や経団連の会長が「終身雇用」を維持できないと言ってますね。
これに対して、さまざまな意見やコメントが出ています。
天下のトヨタも終身雇用は無理か。これなら日本中の企業が無理と同義だな。
戦前の個人事業主みたいに複数の仕事を持つ人が増えるな。
副業が加速するな。仕事から帰って来て学ばないと生きていけない時代が
どんどん現実化してるので色んな事に挑戦しよう https://t.co/e0MIogzUmp— 稲葉山城プロブロガー (@castle193) 2019年5月13日
日本経済のトップがこういう発言をしていることからも、今までのような新入社員で入ってから定年まで一つの会社で働くという生き方の方が今後かわってくる可能性は高いですね。
このような時代の変化の中で個人がどのように生きていかなければならないかを考えてみました。
目次
終身雇用が前提の時代の終焉が予告された
僕からしたらトヨタ自動車は一番余裕がある会社だと思うのですが・・・
その会社でさえも「限界」と言っているわけですね。
だからこの発言はトヨタ以外の会社にとって、リストラや早期退職者の募集を正当化する口実になってしまう側面があります。
トヨタが無理なら、みんな無理だね😇 https://t.co/ILRN1YVYHO
— 転職YouTuberサラタメ🎦倍率100倍以上のホワイト企業に転職しました。 (@SALATAME_media) 2019年5月13日
今回の発言を機に、「トヨタがダメならうちはもっとダメ」という考え方が広まってしまい、雇用制度の見直しやリストラが加速するようになるかもしれません。
なぜ終身雇用が維持できないのか?
今まで終身雇用制度は「メンバーシップ型雇用」と呼ばれる方式で、新卒一括採用を行ってから社内で育て上げていくというものでした。
しかし、競争激化や不況などの理由でその存続が難しくなりつつあります。
終身雇用ができない理由には次のようなものがあるとおもいます。
・会社の寿命が短くなった
・年齢に比例して賃金が増える仕組みがそもそも適さない
【理由1】会社の寿命が短くなった
人間の寿命がどんどん長くなって「人生100年」と言っている一方で、会社の寿命はどんどん短くなっています。
こらちは2006年に出版された書籍ですが、会社の寿命は平均して10年程度であると言っていました。
2019年現在、あれから10年以上が経過しているのでもっと短くなっていることでしょう。
人間が高寿命化する一方で会社の寿命が短くなる以上、一つの会社で勤めあげるのが難しくなるのは当たり前ですね。
【理由2】年齢に比例して賃金が増える仕組みがそもそも適さない
年齢が上がることで昇給し、給料も上がり続けるという仕組みは経済が良いときはすぐれた制度でした。
しかし、人間の能力は年とともに衰えていく傾向にあるので、どこかで給料>能力となってしまいます。
会社に余裕があればこの仕組みを維持することはできますが、頑張っても現状を維持するのに精いっぱいという状態では、この仕組みを続けていくのはとても難しくなっています。
終身雇用の中止で企業が失うもの
終身雇用制度のおかげで、長期のライフプランを描くことができるので過程や家を持つことができるという意味で働く人にとっても優れている制度でした。
何よりもこの会社でやっていこうという意欲を持ち、会社に尽くす社員のおかげで会社も大きな恩恵を受けていたと思います。
しかし、「インセンティブがもう少しないと、終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」との発言は社員の会社に対するモチベーションダウンにつながる発言なわけで、会社にとっても負の側面も大きいのではないでしょうか?
例えば次のような、数値としてなかなか表れてこない部分が大きく欠如するようになると思います。
まぁ、会社にとってはそれほど大きな問題ではないという考えなのだと思いますが、社員の結束のようなものが欠損すると思うんですよね。
持ち株会に入る意味がなくなる
会社が持ち株会制度を設ける理由はつぎのようなことが考えられます。
・持ち株会という安定株主を設けることで、株主構成を安定化させる
・従業員に経営参加意識を持たせることで勤労意欲を向上させる
このような会社のメリットがある一方で、従業員にとっても、自分の資産作りに活用できるメリットがありました。
しかし、投資家目線で考えれば、給料をその会社に頼っていながら、自分の資産運用までもをその会社の株に託すというのは危険以外の何物でもありません。
このような危険を承知で会社の持ち株制度に入るのは、損得の話というよりも会社に対して貢献しようとする気持ちがあるからこそだと思います。
しかし、長期での雇用がないとなれば、こういった制度に入るのはばかばかしいと思います。
社内行事に出る意味がなくなる
古い体質の会社だと、運動会や旅行会などを行う場合もあると思います。
こういうのは大概、土日に行われることが多く、ただでさえ休みが少ないうえに数少ない土日にもわざわざ行事に参加するのは迷惑なのでできれば欠席したいです。
しかしほとんどの社員は愚痴をこぼしながらも参加するのではないでしょうか?
これは、休日出勤手当がついてうれしいからという事ではなくて、会社のイベントを盛り上げようとする気持ちや、同僚と友好な関係を気付くためというのが多いのではないでしょうか?
損得勘定というよりも「会社のために!」という思いで参加しているように思います。
今後、会社との関係を過剰に持ち必要がなくなれば、こういうイベントへ参加しようという気持ちにならなくなると思います。
社会システムは終身雇用を前提に成り立っている
単に労働形態の一つのみならず、現在の社会の仕組みが期限の定めのない雇用を前提としているように思います。
もしも、今後終身雇用を前提としない社会になるのであれば、それに応じて社会の仕組みも変えていかないと混乱が起こってしまうと思います。
退職金制度の見直し、または、毎月の給料を見直すことが必要
現在、退職金は長く務めた方が有利になるように設計されています。
実際、僕の勤める会社では、役職と勤続年数の合計で退職金が決められており、役職が高いほど、また勤続年数が長いほど退職金の積みあがるスピードが速くなるようになっています。
つまり、転職などせずに一つの会社で働き続けた方がたくさんもらえる仕組みになっているのです。
しかし、終身雇用が前提とするならば、平均勤続年数が下がるという事を意味するので、たとえ短い期間の就業だったとしても、十分な退職金が貰えるような制度に改める必要が出てくると思います。
あるいは、退職金制度辞退を廃止して、その分毎月の給料に加算する仕組みにしなければならなくなります。
あるいは、それも厳しいという事であれば、退職金制度自体を廃止してもいいですけど、期待させておきながら定年の時に退職金はありません!というのは勘弁してほしいです。
住宅ローンを35年間も組めるのは、長期間の雇用が前提だから
サラリーマンが35年のローンを組めるのは、定年まで勤めることを前提としているからです。
しかし、終身雇用の前提がなくなるのではあれば基準を満たせない人が多くなってしまうので、多くの人がお金を借りられなくなってしまうのではないでしょうか?
結果的には高額商品であるマイホームや自動車が売れなくなるかもしれません。
J.Score(ジェイスコア)というサービスをご存じでしょうか?
これは仕事や性格などについてアンケートに答えると、自分のAIスコアが計算される仕組みで、いくらまでお金が借りられるかを判定しるためのものです。
このアンケートで仕事を正社員からアルバイトに変更したり、収入を減らしたりするだけでAIスコアが多く変化し、借りられるお金も大幅に下がってしまうのです。
逆に性格や現在の貯金額をいじってもAIスコアはそこまで大きくは変動しませんでした。
いろいろなパターンを入力してみるに、AIスコアは仕事・収入に大きな影響を受けているように思われます。
転職は35歳までや定年は65歳など、年齢を基準とする考え方は廃止した方がよい
終身雇用を前提としないと言いながら、35歳以上は転職に不利というのはおかしいと思います。
ハローワークや転職サイトの求人票を見てみると、年齢制限を設けている会社の多くがその理由として「長期的なキャリア形成のため」と注釈しています。
そもそも35歳以下が望ましいというのは、長期間社内で働くことで社内に適用してもらえるし、若い方が給料が安くて済むというまさしく終身雇用の都合に合わせた言い訳なわけです。
今後、終身雇用を前提としないというのではあれば、年齢で制限するのではなく、スキルのあるなしでその人の評価ができる仕組みにが必要になると思います。
そのためには、履歴書や職務経歴書というものよりも、FacebookなどのSNSやIndeedなどのサービスでの発信、技術者であれば論文や特許など、会社を退職した後でも記録として後々まで残すことを心がけた方がよいと思います。
終身雇用廃止に対抗する方法(サラリーマンの場合)
このような時代の変化で最も影響を受けてしまうのは、雇用されている側の僕たち労働者の側です。
会社が何とかしてくれるという時代はとっくに終わっていて、これからどう生きていきたいか一人一人がどうすべきかを考え行動していくことが求められます。
では具体的にどうしたらいいでしょうか?
大まかに2種類の方法があると思います。
ポイント
- どんな会社でもやっていけるだけの実力をつける(就社ではなく就業へ)
- 副業に取り組んで会社に依存しなくても生きていけるようにする(収入の複線化)
両方できれば鬼に金棒ですが、なかなかハードルが高いと思います。
それぞれ一つを選ぶ必要があると思います。
どんな会社でもやっていけるだけの実力をつける
まず一つ目の方法は、労働者である僕たちが企業に選ばれる存在であり続けるということです。
技術者であれば、新しい技術をどんどん吸収して、常に最先端であり続けるということですね。
また、会社という場所で技術を吸収していくためには、新しい仕事を任せてもらえる立場であり続けることが大切!
自分はサラリーマンなんだからと指示を待つのではなく、ビジネスマンやエンジニアという意識でプロとしての仕事をしましょう。
しかし、会社でやっていける実力をつけるというのは限界があると考えています。
実力をつけていっても、結局それを評価するのは他人だから自分ではコントロールではない要素に左右されているからです。
リーマンショックの時などは個人の能力に関係なく就職は難しいものでした。
このように、結局会社に頼っている以上、個人の力ではどうしようもない要素に翻弄されてしまうのが現状なのです。
高い技術を持っていたとしても、それを相手に理解してもらう機会がなかったり、それがニッチな技術で不必要なものになってしまう可能性だってありえることなのです。
副業に取り組んで会社に依存しなくても生きていけるようにする
会社員という立場である以上、どんなに資格や能力に磨きをかけても越えられない壁はあるのですね。
働くことの意味は人それぞれあると思いますが、結局のところお金だと思います。
なので、働くことの最大の目的である「お金」が解決できてしまえば、そもそも会社員であり続ける必要性はなくなるのです。
がんばって能力を高めても会社というお金をくれる側にうけいれられなければ意味がありません。ある意味、お金にありつくまでの距離が遠いというかんじですね。
ならば、直接個人がお金を取ってこれたら最強だと思いませんか?
その方法が副業に取り組むことなのだと思います。