落ち込んだ時、人が元気になるためには、まず絶望が必要

本日、気になった本があったので購入してみました。
「絶望名人 カフカの人生論」というタイトルの本です。


絶望名人カフカの人生論 (新潮文庫)

本のタイトルにもある「絶望名人」というのが何かなと思いました。
この本に出てくるフランツ・カフカは、
「変身」「審判」「城」「失踪者」などを書いた作家さんです。

では、本の中身を紹介しますね。

ギリシャの哲学者で数学者のピュタゴラスは、こころがつらいときには、
「悲しみを打ち消すような明るい曲を聴くほうがいい」といいました。
これを「ピュタゴラスの逆療法」と言います。

一方、ギリシャの哲学者アリストテレスは、「そのときの気分と同じ
音楽を聴くことが心を癒す」と主張しました。つまり、悲しいときには、
悲しい音楽を聴く方がいいというのです。
これは「アリストテレスの同質効果」とよばれています。

上記のことは相反することなのですが、
実は両方とも正しいことなのだそうです。
まずはじめに「アリストテレスの同質効果」により悲しい音楽を聴き、
次に「ピュタゴラスの逆療法」により元気になるというステップを
踏むとよいとのことです。

いろいろな自己啓発の本が世の中にありますが、
その多くはポジティブな言葉が多いと思います。
しかし、上記のような二段階のステップを踏もうとすれば、
僕たちはまず、ネガティブな言葉を必要としているのではないでしょうか?

本書は、カフカのネガティブな言葉のオンパレードとなっており、
自分以上に悩み苦しんだカフカを自分自身に投影することで、
人が元気になるために必要な最初のステップを
擬似的に体験することができます。

では、僕が読んで特にネガティブだなぁ~
と感じた文章のいくつかを紹介したいと思います。

なお、本書には筆者の解説がついておりまして、
これが非常に分かり易い内容となっております。

倒れたままでいること
将来にむかって歩くことは、ぼくにはできません。
将来にむかってつまずくこと、これはできます。
いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。

人間の根本的な弱さは、
勝利を手にできないことではなく、
せっかく手にした勝利を、活用しきれないことである。

生きることは、たえずわき道にそれていくことだ。
本当はどこに向かうはずだったのか、
振り返ってみることさえ許されない。

ぼくはひとりで部屋にいなければならない。
床の上に寝ていればベッドから落ちることがないように、
ひとりでいれば何事も起こらない。

ぼくの人生は、
自殺したいという願望を払いのけることだけに、
費やされてしまった。

幸福になるための、完璧な方法がひとつだけある。
それは、
自己のなかにある確固たるものを信じ、
しかもそれを磨くための努力をしないことである。

大切な日の前に夜更かしをすることで、
次の日寝不足で全然できなかったとしても、
それは自分の能力がないせいではなく、
寝不足が原因ということにしようという考え方です。

つまり、責任を逃れようという考え方ですね。

このようにして自分が傷つくことを防ごうという心理
が誰しもあり、このことをセルフ・ハンディキャッピング
と呼ぶそうです。

ぼくが仕事を辞められずにいるうちは、
本当の自分というものがまったく失われている。
それがぼくにはいやというほどよくわかる。
仕事をしているぼくはまるで、
溺れないように、できるだけ頭を高くあげたままにしているようだ。
それはなんとむずかしいことだろう。
なんと力が奪われていくことだろう。

この前、ぼくが道ばたの草の繁みに寝転ぼうとしていると、
仕事でときどき会う身分の高い紳士が、
さらに高貴な方のお祝いに出かけるために、
着飾って二頭立ての馬車に乗って通りかかりました。
ぼくは真っ直ぐに伸ばした身体を草の中に鎮めながら、
社会的地位から追い落とされていることの喜びを感じました。

ぼくは彼女なしで生きることはできない。
・・・しかしぼくは・・・
彼女とともに生きることもできないだろう。

結核はひとつの武器です。
ぼくはもう決して健康にならないでしょう。
ぼくが生きている間、どうしても必要な武器だからです。
そして両者が生き続けることはできません。

弱いということは、社会的には、
強いということだと思います。

たとえば赤ちゃんはとても弱い存在ですが、
それゆえに家の中では絶対的な権力があります。
夜中に赤ちゃんが泣きだすようなことがあれば、
どんなに疲れていてもあやしますよね。

どうでしょうか?

かなりネガティブではないでしょうか?

自分よりもネガティブなものをみて、まだがんばれそうな気がしませんか?!
なんだか変なかんじもしますが、
そう思うことで元気になれるのなら、
ネガティブな文章を読むのもいいものかもしれません。

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